2019年05月21日

「鍋島夏雲日記」が翻刻されました

 本日、5月21日の佐賀新聞に「鍋島夏雲日記」が翻刻・出版されたとの記事が掲載されていました。(記事となった日付は違いますが佐賀新聞以外にも朝日新聞、読売新聞、西日本新聞にも掲載されました。後日追加)

 「鍋島夏雲日記」活字化 幕末の国内情勢克明に」
 (佐賀新聞LiVE 令和1年5月20日)
 https://www.saga-s.co.jp/articles/-/376493

 鍋島夏雲(市佑)の名前を聞いてどのような人物か直ぐ分かる方は幕末佐賀藩の歴史に精通されている方です。私も余り詳しくなく、納富鍋島家の当主だったこと、幕末の10代藩主鍋島直正公の近くに仕えて、重要な政策決定に参画していたことぐらいです。
 その鍋島夏雲の「日記」を活字で読めるというのは幕末佐賀藩についての理解がこれまで以上に深まることを意味します。これまで一部の研究者がその内容に言及したことはありますが誰もが読めるというのは画期的だと思います。
 県内の図書館で実際に手に取ることを楽しみに待ちたいと思います。

(佐賀新聞記事:後日追加)
「鍋島夏雲日記」活字化 幕末の国内情勢、克明に 直正公の側近筆頭

 幕末佐賀藩の重臣だった鍋島夏雲(かうん)が当時の情勢などを書き記した「鍋島夏雲日記」の活字化が終わり、お披露目式が20日、上峰町役場で開かれた。武広勇平町長や編集を担当した古川英文・佐賀城本丸歴史館副館長らが出席し、幕末佐賀藩の歴史をひもとく貴重な資料の完成を祝った。
 鍋島夏雲は、同町内を領地としていた納富鍋島家の当主で、10代藩主・鍋島直正の側近筆頭を30年に渡り務め、藩内外の情報に精通していた人物。日記はこれまで活字化されておらず、研究者らが活字化を待ち望んでいた。
 活字化は、同町の「明治維新150年記念さが維新関連事業」の一環として実施。佐賀大地域学歴史文化研究センターの伊藤昭弘准教授が監修を務め、1年掛けて完成させた。
 日記には、佐賀藩内のさまざまな情報のほか、開港を迫ってペリーが来航したことや、薩摩藩の島津久光が大兵を率いて上京したこと、幕府の蒸気船・観光丸の返上について勝海舟が佐賀藩と幕府の仲介役を請け負ったことなど、幕末の歴史を振り返る上で重要な事柄が記されている。
 夏雲日記の一部を拡大した屏風も完成し、併せて披露された。表装されたのはペリー来航の第1報や、幕府が佐賀藩に対して鉄製大砲を200門注文したことを伝える文書。夏雲の自筆とされる部分で、歴史への興味を高めてくれる。
 お披露目式では、武広町長が「幕末佐賀藩の活躍を顕彰できれば」とあいさつ。古川副館長が「夏雲日記の全体像はこれまで把握されておらず、今回の活字化は英断」と述べた。
 日記はA5版、432ページで、300部制作。県内の図書館や高校、町内の小中学校、全国の都道府県立図書館などに寄贈される。屏風は町役場に展示され、一般来庁者にも公開される。


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Posted by jirou at 12:00 | Comments(0) | 出版物
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