2017年09月12日
巨石巡拝記(21) 下田・神頭石(じとうせき)巡拝(1)
これまでも下田の代表的な巨石を巡拝してきましたが、「巨石群探訪コース」に掲載されている巨石もいくつか紹介しておきたいと思います。
肥前大和巨石パークの南、登山口から尾根を上る直登ルートを取ると10分とかからない標高220㍍程の場所に「神頭石」が鎮座しています。尾根の途中にも、元々は何らかの名前があったのではないかと思われるような巨石が点在しています。
管理棟で配布されている「巨石群探訪コース」図では1番目の巨石「神頭石(じとうせき)」とされ、「形が神様の頭に似ていることから名付けられ、永く眺めているとご先祖の顔が見えてくる不思議な石といわれている」との謂われが紹介されています。
「形が神様の頭に似ている」や「ご先祖の顔が見えてくる」というのは主観的なものであり、そう言われればそのようでもありますが、個人的には、「神頭石」の向かって右側(南東側)は猿の横顔に見えてきます。

「神頭石」右側
まぁ、謂われは謂われとしてもその比定には少し疑問があります。このことについてはすでにこのブログでも言及していますが、再度触れておきます。
というのは、戦前の佐賀新聞の記事「佐賀有志記者団の下田石神群踏査」(「佐賀新聞」(昭和10年(1935)1月29日(火)朝刊:2頁)に掲載されている「神頭石」の順番が、現在配布されている「巨石群探訪コース」と異なるのです。この記事は「踏査」であり、実際に「踏査」した順番に巨石の名前が記されています。他の巨石の順番、位置関係は「巨石群探訪コース」と矛盾しませんが、「神戸石、道祖神石、神頭石」の順番だけが異なるのです。単なる、記者さんの誤記あるいは勘違いかもしれませんが気になる訳です。
なお、「神戸石」は「巨石群探訪コース」には記載されていませんし、らしい巨石はあるのですが、いわば「忘れられた」巨石です。
「佐賀有志記者団の下田石神群踏査」では、「御船石、龍ノ石、兜石等」の前に「神戸石、道祖神石、神頭石」の順に記載されています。また、「下田石神群分布図」にも道祖神石は神頭石の西側に描かれています。
順序の記載、巨石の名称の意味、分布図からもこの順序が腑に落ちるのです。現在の「神頭石」と「道祖神石」の位置が逆、つまり、現在の「神頭石」こそが本来の「道祖神石」なのではないかと。
「佐賀有志記者団の下田石神群踏査」は以下で読むことができます。
「下田の石神の発見(3)」
http://tamayura.sagafan.jp/e836164.html
「下田石神群分布図」は以下で見ることができます。
下田の石神群の「発見」(11) 「肥前史談」より(3)
http://tamayura.sagafan.jp/e855380.html
「神頭石」までは、谷沿いに石神の滝、烏帽子の雫を経由するルートもありますが、最短コースは、駐車場から尾根を行く南側の直登路を取ります。
「神頭石」の位置
肥前大和巨石パークの南、登山口から尾根を上る直登ルートを取ると10分とかからない標高220㍍程の場所に「神頭石」が鎮座しています。尾根の途中にも、元々は何らかの名前があったのではないかと思われるような巨石が点在しています。
管理棟で配布されている「巨石群探訪コース」図では1番目の巨石「神頭石(じとうせき)」とされ、「形が神様の頭に似ていることから名付けられ、永く眺めているとご先祖の顔が見えてくる不思議な石といわれている」との謂われが紹介されています。
「形が神様の頭に似ている」や「ご先祖の顔が見えてくる」というのは主観的なものであり、そう言われればそのようでもありますが、個人的には、「神頭石」の向かって右側(南東側)は猿の横顔に見えてきます。
「神頭石」右側
まぁ、謂われは謂われとしてもその比定には少し疑問があります。このことについてはすでにこのブログでも言及していますが、再度触れておきます。
というのは、戦前の佐賀新聞の記事「佐賀有志記者団の下田石神群踏査」(「佐賀新聞」(昭和10年(1935)1月29日(火)朝刊:2頁)に掲載されている「神頭石」の順番が、現在配布されている「巨石群探訪コース」と異なるのです。この記事は「踏査」であり、実際に「踏査」した順番に巨石の名前が記されています。他の巨石の順番、位置関係は「巨石群探訪コース」と矛盾しませんが、「神戸石、道祖神石、神頭石」の順番だけが異なるのです。単なる、記者さんの誤記あるいは勘違いかもしれませんが気になる訳です。
なお、「神戸石」は「巨石群探訪コース」には記載されていませんし、らしい巨石はあるのですが、いわば「忘れられた」巨石です。
「佐賀有志記者団の下田石神群踏査」では、「御船石、龍ノ石、兜石等」の前に「神戸石、道祖神石、神頭石」の順に記載されています。また、「下田石神群分布図」にも道祖神石は神頭石の西側に描かれています。
順序の記載、巨石の名称の意味、分布図からもこの順序が腑に落ちるのです。現在の「神頭石」と「道祖神石」の位置が逆、つまり、現在の「神頭石」こそが本来の「道祖神石」なのではないかと。
「佐賀有志記者団の下田石神群踏査」は以下で読むことができます。
「下田の石神の発見(3)」
http://tamayura.sagafan.jp/e836164.html
「下田石神群分布図」は以下で見ることができます。
下田の石神群の「発見」(11) 「肥前史談」より(3)
http://tamayura.sagafan.jp/e855380.html
「神頭石」までは、谷沿いに石神の滝、烏帽子の雫を経由するルートもありますが、最短コースは、駐車場から尾根を行く南側の直登路を取ります。
「神頭石」の位置
Posted by jirou at 12:00 | Comments(0) | 巡拝記
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